研究者としてイノベーションを系統的・継続的に起こしていくことができれば、世の中にもそして会社にも意義ある存在として価値を示し続けることが出来ると思っています。しかし(程度の差こそあれ)イノベーションを起こすことは、実際にはとても困難なことです。
一般的にイノベーションに必要な力はなにかと問われると、スティーブ・ジョブズみたいな、芸術家的な才能を持った天才の圧倒的なヒラメキの力だと言われるでしょう。ただこれはその人の才能によるところが大きく、自分には決して真似できないものなので、こんなことを言われても何の参考にもなりません(怒)。
じゃあ、自分のような凡人が研究でイノベーションを起こしていくためには何が必要なのでしょうか。無い脳みそで適当に考えた結果で恐縮ですが (汗)、一言で言えば『天才が試さないことを敢えて網羅的にやっていく』というのが現時点の自分に残された選択肢です。
では、そのためには何が必要かというと、圧倒的な勉強と、未来を見通す力、人の反対を行く勇気と、ついでの一手間を惜しまない心(と身体!)と超低コスト化&高速処理化技術だと現時点では思っています。何とも古臭くて、精神論的&日本的な発想ではあるのですが、まあ才能が無いので仕方がありません。
上にあげた4つを順に説明していきます。まず何がイノベーティブで何がそうでは無いのかを知らないことには何も行動できません。それを知るためには勉強が必要です。その道の専門家たちが、過去何をやってきて、そしていま何にしのぎを削っているのかを知ることから始まるでしょう。
過去と現在を知ったらこれから未来がどのように進んでいくかを想定してく作業が必要です。この時に想定される未来に合わせて進むのではなく、敢えて違う方向に進むことで勝てる可能性は無いかを考え、さらにそれを実行する勇気が必要になってくるのではないかと思います。
そしたら、次はアイデアを実験で証明してイノベーションの種を見出さねばなりません。この時にとにかく人のやらない組み合わせを試すことが必要です。確かに一見ナンセンスな組み合わせなのかもしれません。しかしだからこそ賢い人達が見過ごしがちな大きなチャンスが確率は低いものの必ずあるはずです。みながあり得ないと思うから、手付かずで残っているのだと思います。
しかしその地道な組み合わせを実際の実験で検証するには、膨大なお金と時間がかかってしまいます。その時に必要なのが超低コスト化と高速処理化技術で、言い換えるとこれはシステム化と継続的な現場改善であり、日本人が強いところかもしれません。
上記のプロセスを通じて、だれもが「まさか!」思える意外性をもったイノベーションの種をある程度の確率で見つけることは、必ず可能なのだろうと思っています。
ということで書いては見たものの、イノベーションという時に感じられる洗練された華やかさとは程遠い、ドブ板的な研究手法になってしまっています(汗)。出来るものであればもっとスマートにやっていきたいのですが、こればっかりは才能の問題なので仕方が有りません (涙)。しかし大切なのはやり方ではなく結果です!どんな方法論であれ限られたヒト・カネ・時間の中で面白い成果を出せたもの勝ちだと思っていますので、自分が信じたやり方をまずは試してみたいと思っています。