#1081 異質との衝突で必死さが試される!

国内の製薬会社による海外のベンチャー企業の買収が最近も続いています。海外でも大きなところでは、ファイザー社によるアストラゼネカ社の買収報道などがニュースにもなりました。

自分が勤める会社も10年前くらいから海外企業の買収を始めています。自分の仕事に関しても、直接の関連は薄かったもののそれでも色々な影響はありました。その時にはこれまでの自分たちが教えられたやり方が全く通用せずに、結果としてそのやり方が否定されたように思われ、現場の一研究員としても辛い思いをしました。

この時に自分たちより立場が上のマネジメント層の方はもっと辛かったのだろうと思います。そんな時に、社内でありがちだった反応を思い出してみると、買収した会社の出来ない点に注目して「あいつら大したことない!」というものでした。

確かに、自分たちが感じた惨めな思いから自分の組織を守るための苦しさから出た言葉だったのかもしれません。しかし、そういうような異質との出会いはイノベーションを生み出す大きなチャンスだと思います。このようなときに、相手のダメな点を探して自分たちの小さなプライドが傷つくのを防ぐよりも、自分たちに足りない何を掛け合わせることで自分たちの組織に最も大きなイノベーションを起こすことが出来るのかを考えたほうが建設的だったのでしょう(もちろんそのように考えて大きな成果を出した人は社内にも沢山いましたが)。

日本人は昔から和魂洋才の言葉通り、相手の進んでいる点は素直に認めて取り入れ、日本という国を発展させてきました。そのような素直な気持ちが現場レベルでも必要なのだろうと思います。

勉強不足でよく知らないのですが司馬遼太郎さんの『坂の上の雲』などを読んでみると、戦争に勝たないと日本が欧米列強の植民地になってしまうという状況の中で、文字通り必死で欧米の進んだ技術を取り入れたように書かれています。そんな際には相手の良い所を取り入れるのに日本人のプライドがどうこうなんて言っている状況でだったのではないでしょうか。

そういう対応が出来なかった自分達には組織を守るという責任感、必死感や切迫感が足りていないのかもしれないですね(まぁ組織は守らんでもいいのですが、働いている人の雇用を守ることはマネジメントの責任の一つではないかと)。しかし、これは終わった話ではなく、今でもグローバル化した社内では、このような異質の衝突の機会は山ほどあり、その場面のごとに自分の覚悟が試されていると思います。

自分のちっぽけなプライドのために、イノベーションのチャンスをみすみす逃してしまうことのないよう、心して仕事に臨みたいと思います!


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