#1105 先人の知恵からの優れたイミテーションを目指す!

研究者として仕事をしていると、オリジナリティに拘らないといけないという風潮をここのところ非常に強く感じます。とくに研究者のコピペ疑惑などが取り上げられて以来、何でもかんでもオリジナルが必要で、自分でゼロから何かを生み出さないと駄目だというような空気を感じます。

もちろんコピペはもってのほかですが、『全てを自ら生み出さないとダメ』というのは違うんじゃないかなと思っています。

サイエンスに関わるものとして、全く何も新規性のない研究だと意味はないと思ます。しかし多くの先人の知恵の上にわずかでも新規知見が組み合わされ、結果として新しい結論が導き出されていれば、それは十分なオリジナルな研究だと呼んでいいと思います。

そもそもサイエンスは膨大な先人の成果の上で成り立っているわけで、それを全く生かさずしてオリジナルに拘るべきだというのは、人類が原始時代からやり直さないとダメだと言っているのと同じだと思います(屁理屈ですが汗)。

更に具体個別の研究の成果をコピーしてはダメですが、その研究プロセスや研究デザイン、試験の意図など、研究に関する抽象的な部分はいくらでも真似ることが出来ます、むしろ真似るべきです。その抽象化した汎用的な部分こそ『研究センス』であり『筋の良さ』と呼ばれるものだと思っています。これらは我流で身につけることは難しいため、先人の知恵から学ぶのが絶対に近道だと思います。

元東レ経営研究会のトップの佐々木常夫さんの講演会に先日参加させて頂いたのですが『プアなイノベーションより優れたイミテーションを』目指す勧めが紹介されました。仕事も研究でも、似たような課題に対して、似通ったリソースや手法を用いてアプローチしていく事が多いため、その解決策も似通ったものになってくるのは当然のことだと思います。そしてそれで課題解決が出来れば十分目的は達成されています。

一方、もしそれで上手くいかず、さらにそこで自分が勝負できる強みがあるなら、自分のオリジナルを掛けあわせて研究全体として進歩性を確保し、優れたイノベーションと認めてもらえばいいのかもしれません。

今、自分は研究の論文を書いていますが、研究のデザイン、実験、解析、結果の総括、英語での執筆などを全部やるのには大体一年くらいかかってしまいます。一方で人の書いた論文を読むのは一報あたり20分位で読めてしまうのでしょうか。知識や思考パターンを手に入れるという意味では先人の知恵に学ぶことはとても効率的だと言えます。

既に確立されている成功パターンや理論や知見などは積極的に真似して効率的に習得し、その分未知の課題に対して多くのエネルギーを注いで課題解決に繋げることが出来るよう、全体として効率的に研究を進めていきたいと思います!


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