自分がまだクソ生意気な高校生だった頃、「仕事は自分が食っていくための食い扶持に過ぎない」みたいなことを言った事があります。それを聞いた日頃は無口な父親が「今のお前には分からんやろうけど、仕事とはそんな小さなもんじゃない」と言っていたのを今でも良く覚えています。その当時は「はぁ?」みたいな感じで、父親が何を言いたいのか分かりませんでしたし、分かろうともしなかったのかもしれません。
あれから長い年月が経ち、自分がも働くようになりました。クソ生意気なのは相変わらずですが (汗)、今だったら父親が言いたかったことが少しだけ分かるような気がします。
なんのために働いているかと問われれば、もちろん食べるためです。しかし食べるだけであれば別に製薬会社の研究職として働く必要はありません。毎晩遅くま残業する必要もなければ、まして土日も家で仕事をする必要なんて更々ありません。食べていくためにもっと効率良く働き、ラクをすることが出来ると思います。だけど今の自分には、そういう働き方にはきっと耐えられないと思います。
じゃあ何のために働くのかというと、一言でいえば『自分のやり甲斐のため』ですが、そのやり甲斐とはどこから来るかというと、自分を信じてくれる人たちの期待に応えたいという思いからというのが一つです。
それは自分を信じて一緒にプロジェクトを頑張ってくれる同僚の期待であったり、顔は見えないけれど薬を待つ患者さんやお医者さんの期待であったり、生命科学への自分の貢献を待つ同じ研究者の期待であったり(これはあまり期待されてないかもしれません汗)です。
この『自分のことを期待してくれる人たちに応える』という気持ちだけは忘れずにおきたいと思います。そして自分が製薬会社の研究所で働くのは、自分を期待してくれる人たちの期待に最も応えやすい場所であるからだと思っています。
自分が携わるプロジェクトは新薬への道はまだ遠く、今のところ実績なんて何も無いのですが、生命科学に携わり、その方達の期待に応えようと頑張っている事だけは誇りに思っています。そして、いつかこの方達の期待に応えることが出来るかもしれないと思うと、とてつもないエネルギーが湧いてきます。こういう現状とは無関係に湧いてくるものすごいプラスの感情を『希望』とか呼んだりするのかな、なーんて思ったりしています。
と書くと「偉そうなこと言う前に、はよー結果出せや!」と各方面とクレームが飛んできそうなのでもうやめます(汗)。だけど、気持だけはそんな感じで、また明日から頑張ります!