イノベーションは簡単じゃないから #1133

シュンペーターはイノベーションを『新結合』と定義しています。つまりイノベーションを起こすためには新しい概念を一から考えつく必要はなく、既存の概念の新しい組み合わせでも十分なインパクトを与えることが出来るはずです。つまりイノベーションの考え方は非常にシンプルです。

ですが、シンプル = 簡単というわけでは決してありません。新しい価値を生み出すこれまでに世の中にない組み合わせというのは、なかなか見つかりにくいものだと思います(だからこそイノベーションには価値があるわけで)。ではこの難しいことを達成するためにはどうしたらよいかというと、自分一人だけでやろうとしないことが大切なのだと思います。

イノベーションが既存の概念の新しい組み合わせだとするなら、自分が担当するのはその一つのパーツを提示することだけに徹しても良いのかもしれません(ただその分だけ競争力のある価値提供が必要ですが)。組み合わせの対象となる残りの部分は他の専門家に提示してもらえれば良い話です。

自分ができること、知っていることには限りがあります。自分が強みを持ち、そこで貢献したいと思うこと以外は外部に求めたほうが、他の専門家の力を活かすことができるため、イノベーションから得られるインパクトの大きくなるはずです。

とここまで書いて思ったのですが、これって別に特別なことではなく単に『オープンイノベーション』の話をしているだけじゃん!ってことに気づきました (汗)。Wikipedia によれば、オープンイノベーションとは、“自社技術だけでなく他社や大学などが持つ技術やアイデアを組み合わせ、革新的なビジネスモデルや革
新的な研究成果、製品開発につなげる方法”とあります。会社のような組織でも今は自前主義を捨てオープンイノベーションにより成果を出すことを選択しているのに、個人で出来ないわけはありません。

個人としても自前での成果にこだわり過ぎないことは重要そうですが、一方でオープンイノベーションの問題点も理解しておく必要はあるでしょうね。たとえば外部の技術やアイデアに頼りすぎる結果、自社 R&D 機能の競争力が低下してしまうとか、提示できる圧倒的な強みを持っておかないと他社にとって代替不可能なパートナーにはなれないとか、の問題点はよく知らえるところです。

何事もバランスが大切ですね。シンプルだけど簡単ではないイノベーションを系統的に仕掛けていけるよう、自分を磨きつつ外部のリソースを生かすことを考えていきたいと思います。


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