論文を書くのに英語以前に必要なこと #1177

論文を書くことによる研究者のスキルアップについてはこれまでも書いてきましたが、今もまた別の論文を書いています。論文を書くことで感じるのは、英語の能力以前の問題でつまずいている事です。まず (1) 何がその研究における価値であるのか、研究の価値を最大限に引き出すような書き方ができているのか、また (2) 論理や主張が正しく構成されているか、などです。

まず (1) に関しては、まずそのサイエンスの分野で何が価値であることを知ることから始まります。当然ならがら、新規性が重要視されるサイエンスの世界では、他人が既にやっていることの焼き直しにはあまり高い価値はおかれません。一方で新しければ何でもよいわけではなく、既存の問題を解決できる広い汎用性・一般性があるものに価値がおかれ、またそれがこれまでの通説とは予想外の結論であるほど高い価値があるのだと思います。このような価値の高いとされる論文を書くには、いずれの場合においても、自分の研究分野の現状を深く理解しておくことが求められます。これもマーケティングって言うですかね。

(2) に関しては、自分が主張したいことを少しでも正しく・誤解なく読み手に伝わるように書かなくてはならないと自分の師匠からは教えられています。読んでいて途中で『?』と読み止まらないことは当然であり、レターと呼ばれる短い論文であれば15分以内に流れるように読み取れて、一回読んだだけで十分に理解できる内容でなければなりません。そのような書き方をするには、技術が必要です。

これに関して師匠からは『Guide your reader!』(読み手をガイドしろ)と耳にタコが出来るほど何度も言われています。これは読み手が予想してある読み進めることが出来るように、書かなければいけないということです。実験が予想外の結果である場合もあるのでしょうが、それならばそうと、読み手がそれを予期できるように書くことで(例えば、surprissinly とか interestingly と入れておけば、そのように備えて読んでくれる)読み手をガイドすることが出来るのでしょう。

この時に必要なのは、自分が言いたいことをただ書くのではなく、相手が読んだときに自分の言いた事が伝わるようにに書いておくことが必要です。当たり前のように聞こえるのですが、実際に書いてみると殆どの場合、出来ていないことが分かります。そのためには、どのような読者層に何をどこまで説明するのかを決め、論理構成を考え、不要な部分を極力まで削ぎ落とした文章を書くべき、とのことです。

師匠はアメリカ人なのですが、このスタイルのことを IKEBANA スタイルとか ZEN スタイルとか言っていて、自分が余分な脂身がたっぷりのカオティックな文章を書いてしまうと『日本人だろ? ZEN の美意識が感じられる文章を書け!』と罵倒されます(汗)。ということで、英語以前にやらなくてはいけないことがたくさんあります。修行が足りませんね、これからも頑張ります!


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