信用と信頼の違いについて #1319

最近、会社が主催するコミュニケーションのセミナーに出ています。その学びを忘れないうちにまとめておきたいと思います。

まず前提としてこのようなコミュニケーションのセミナーに参加した動機を書いておきます。昨今のような環境変化の早く先行きが不透明な時代においては、トップダウン型の官僚型ピラミッド組織では変化に対して迅速に対応出来ないため、マトリックス型の組織が必要とされていると言われています。マトリックス型の組織では、同じ専門性を有する自分のラインの上司・部下の関係の組織とは別に、ある問題の解決のためのに複数の異なる専門家が集まる時限付きのプロジェクトに参画します。その場合、自分のラインの上司とプロジェクトのマネージャーの二人の上司が存在することになります。

このようなマトリックス型の組織では、変化の対応力・対応スピードなどの点では利点があるものの、コミュニケーションの部分で難易度が高くなります。そのためこれからの時代、コミュニケーションはますます重要になってくるし、コミュニケーションを通じてリーダーシップを発揮していくことが求められるとのことでした。

例えば、ラインの上司・部下の関係性では利用可能な権限(上司の権力)によるコミュニケーションが、ラインをまたぐプロジェクト内では使いにくいため、別の力に頼らなければなりません。その際の力の源泉は何なのかと言われると、一つには『信用と信頼』である、とのことでした。

ここで自分の中ではほぼ同義に使われると思っていた信用と信頼を分けている点は面白いと思いました。セミナーの中では、信用は過去の実績などに基づくもの、業績や合理に基づくものであり、一方で信頼とは、信用を前提とした未来に対する期待、理性よりも個人的な感情に基づくもの、という説明がなされました。つまり信用の方はこれまでの事実に重きをおくものであるのに対し、信頼のほうは感情に裏付けられて未来に焦点をおいているように思います。また信用は信頼の必要条件ではあるけど十分条件ではなく、信頼にはプラスアルファが必要なように思います。

信頼は期待の現れと言っても良いかもしれません。『この人なら大丈夫』とか『彼ならきっとやってくれる』と自分を信頼してくれる人がどれだけいるか、また数だけではなくどれだけ深く期待してもらっているか、がマトリックス組織においては特に大切なのだと思います。となると、多くの方から深い信頼を勝ち得るためにますます頑張らないといけないですね。


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