あるシニアマネージャーをの話を聞く機会がありました。彼は研究者として卓越した実績を重ねて、ここ十年くらいはシニアマネジメントとして活躍しております。そのお話の中で、「セレンディピティ」はどうやったら身に付けることが出来るか?という議論になりました。
wikipedia によると、セレンディピティの定義とは下記のとおりです。
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何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能を指す言葉である。何かを発見したという「現象」ではなく、何かを発見をする「能力」を指す。平たく言えば、ふとした偶然をきっかけに閃きを得、幸運を掴み取る能力のことである。
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そのマネージャーは話の中で、毎日朝礼をして、問題点を徹底的に話し合っていた、と言っていました。もちろん10分程度の朝礼の中で問題点が解決されることはなく、「ああでもない、こうでもない」と言って時間切れになることがオチであるが、それを毎日継続してきた、とのことです。
この朝礼にどのような効果があったのか?
朝礼により、問題点を意識にすりこんでいく、そして短い時間であっても必死に解決しようと考えてみる、ということが起きていると思います。そのため、朝礼以降の業務においても問題点は常に意識にのっていることになります(カラーバス効果)。その結果、何気なく入ってくる情報(一見関連しない論文、議論、発表)など全てが、意識・無意識で自分の問題に関連させようとすることなるのではないでしょうか。
つみなみな表現になってしまうのですが、やっぱり「Chance favours the prepared mind. (パスツール)」ということなのですかね。
といことで、自分のレベルでも科学的な進歩を得るためには、問題点を常に意識に乗せておくことが重要だと感じます。自分の部署では朝礼はないのですが、自分の課題が山ほど書かれた手帳を使った「一人朝礼」を毎日してみても面白いかな、と思いました。
まぁどのような方法でもいいので、とにかく問題を意識に乗せておくことで、それまでは気づかなかった情報の組み合わせにより、新しい発見をしたい、と思っています。