色々あって赤羽雄二さんの『世界基準の上司』をまた読み直しています。この本は非常に良い本です。基本的にマネージャーのための本なのですが、自分のようなマネージャーではない人間にも非常に役に立ちます。というのは、組織で働く殆どの人は、その職位によらず人とのかかわり合いがありますが、その中では必ずマネジメント力が必要になってきます(もちろん、採用や人事評価など本当のマネージャーしか関係ない項目もあるにはあるのですが)。その意味で、是非多くの人に読んでもらうと良いのではないかと思います。
加えて、この本により部下が上司を見る目がめちゃめちゃ厳しくなっているかもしれませんが (笑)、それも良いことなのかもしれません。自分が勤める会社のように真にグローバル化を目指すのであれば、研究者としてだけではなく上司としても世界基準を目指していかなければならなず、上司がそのプレッシャーにさらされるということは会社としても良いことだと思います(上司は大変でしょうが)。
読み返していて、とても良いと感じたところにポジティブフィードバックを実践するという点です。本書では、コミュニケーションの際に、メッセージをポジティブに伝えること、というものです。つまり、ねぎらったり、ほめたり、感謝すること、とあります。自分はこれが得意ではありません。これまで自分に接してくれた先生や上司も(今から思えば)得意ではなかったのかな、と思うのですが、自分の狭い経験の範囲からすると、そもそも良い点よりも出来ない点に目が行きがちな日本人・日本社会全体が得意ではないのかもしれないと思っています。
自分を含めて上の立場の人が下の立場の人を指導するとき、ついつい改善点を指摘しがちです。下の人が当然頑張ったことは分かっていますがそこを褒めることなく、『もっと成長して欲しい』という気持ちから、改善点が先に出てきてしまうのだと思います。ねぎらいの言葉があったとしても、『よく頑張った、でもね、◯◯』という『でもね』のせいで、ねぎらいの言葉を台無しにしていると思います。本当によく頑張ったと伝えたかったとしても、『でもね』の言葉のせいで、『よく頑張った』が○◯以降を伝えることの枕詞として聞こえてしまいます。非常に勿体無いですね。
確かに下の立場の人よりも上の人は実力もあるでしょうから、足りない点が見えがちです。ですが、冷静に自分が彼らと同じ立場の時は同じように出来なかった(もしくはもっと駄目だった)わけです。まず彼らの立場でやるべきことは頑張ったことに対して、100%の気持ちで感謝をしたいと思います。そう考えると『でもね』なんて、絶対に一緒に使うべきでは無いですね。本書にもある通り改善点は別途(後日)伝えれば良いと思います。本書の通り、まずは成果が出ても出なくても、頑張ってくれたことにまずは深く感謝しポジティブフィードバックをする、ということを徹底したいと思います!