人工知能が描いたレンブラントの”新作”

最近、人工知能がオランダの画家レンブラントの”新作”を描いたことがニュースになりました。人工知能にレンブラントの絵画のデータを、構図、色彩、画面の凹凸、タッチなどの観点から学習させ、『30代白人男性、ひげ、帽子』などのわずかな条件を与えたところ、新しい絵画を制作したとのことです。それを3Dプリンターで出力したところ、まさかコンピューターが制作したとは思えないような絵画が出来上がりました。詳細はこちらから御覧ください。

人工知能といえば、最近グーグル傘下の会社が開発した人工知能が囲碁の世界王者に勝利したことが大きな話題になりました。さらに、人工知能による自動運転車が公道を走るようになる時代です。自分は人工知能には詳しくはないのですが、それでもこれからの時代そのインパクトは無視できなくなるでしょう。自分が属する製薬業界においても、遺伝子情報などのデータ解析、薬効や毒性情報などの情報収集、臨床試験の結果の解析などの場面において、すでに人工知能が使われ始めているとのニュースがあります。

その社会的なインパクトの大きさは非常に大きなものになるでしょう。たとえば、今日、法律関係の方とお話する機会があったのですが、人工知能による自動運転が普及すれば交通事故が激減し、その結果としてたとえば自動車損保の業界が大きく衰退し、交通事故の示談交渉に関与している法律関係の仕事も減り、さらに患者さんを保険治療する治療院も大きく減ってくる事が予想されるとのことでした。自分としてはその社会の裾野に広がる影響についてははっきりと意識は出来ていませんでしたが、保険の領域以外にも同じように社会の構造が変わるのだと思います。

冒頭に挙げたレンブラントのニュースは、芸術という人工知能が比較的苦手としていると考えられた分野において、大きなインパクトを与えたのだと思います。とここまで書いて思ったのですが、人工知能を用いて作風に合った曲を作曲したり、星新一さんの作風に合う小説を執筆したりと、芸術の分野でも成果を出していることにも気が付きました。

ただ今回のレンブラントのニュースも含め、上記は既存の作品を科学的に分析・学習させ、類似性を使って新しい作品を生み出しているのでそれを芸術と呼ぶべきか科学と呼ぶべきかは自分には分かりません。ただ同じように科学とはかけ離れた分野に対して、科学的な分析手法を用いそれを学習し成果物を生み出すということはこれからどんどん増えてくると思います。そう考えると、これから研究者の仕事はどうなってくるかを考えるととても興味深いですし、研究において人間が担うべき役割は何であるのかについて、動向を注視しておきたいと思います。


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