プロジェクトの要諦は契約書にあり

少し前に、ベテラン (笑) のプロマネの先輩と一緒にプロジェクトを担当させて頂いた時の話です。退職した前任者から引き継いだ新しいプロジェクトにアサインされた自分は右も左も分からずに、文字通り右往左往していました。そのプロジェクトはライセンスパートナーとの共同開発のプロジェクトで歴史の古いプロジェクトのためメンバーも内容をよく理解していない状況でした。

まず、その先輩は自分に契約書を読むように指示をして下さいました。また(飲み会の席で笑)契約書の読み方を指導してくださいました。契約書特有のややこしい英語表現を頑張って読んでいると、次は法務の担当者とのミーティングを設定してくださり、契約の内容や疑問点について細かく質問をされていました。契約の理解がいかに大事であるかがその当時はわからなかったのですが、プロジェクトを進めていくにあたり、その重要性を実感するようになりました。

当たり前ですが、プロマネの仕事はプロジェクトをうまく進めることです。しかし、その進め方には制約があり、その最も大きな制約の一つが法律や契約です。プロジェクトのメンバーは契約のことなどほとんど知らずに様々な発言をします。もちろんプロジェクトにとって最適な提案だと思い発言をしてくれているのですが、契約上問題があればその意見を容認するわけにはいきません。たとえそれが偉い人の意見であっても規約に違反していれば、その旨を伝えなければなりません。

もちろんプロジェクトに毎回法務のメンバーが入っていれば良いのですが、全ての意見を法務に確認を取るわけにはいきません。また法務の意見は時にコンサバ過ぎて、実際の現場とは大きく乖離してしまうことがあります。契約を全く知らない現場のメンバーと、現場を知らない法務の間に立って、バランスをとりながらプロジェクトを進めていくことがプロマネには求められているのだと思います。

プロマネになるまでは契約書なんて読んだこともありませんでした。しかし今となっては契約を知らずに、プロジェクトを進めることがいかに危ないかを痛感しています。自分が担当する別のプロジェクトにおいても契約に基づいて、チームとして正しい意思決定をすることができました。契約書なんて、読みたい類の文章では決してないのですが (笑)、今回の経験を忘れることなく、必ず理解しておきたいと思います!!


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