全体像の俯瞰が大切なプロマネの役割

自分は臨床開発のプロジェクトマネージャーとして働いています。一方、プロマネという強みを活かして、開発プロジェクトとは異なるタスクフォース等にもプロマネとして加わっています。開発のプロジェクトはある意味でやることが決まっていると言えますが、非定型のタスクフォースは一からプロジェクトを設計する必要があり、プロマネとしての学びの宝庫です。

こういったタスクフォースを進めるにあたって、自分が一つ注意しておきたい点があります。それは各活動を自分でやってしまいがちであることです。もし出来るのであれば活動を担当しても構わないのですが、ただでさえ時間がない中で手を広げるのは良いことではありません。色々なプロマネ像があって良いと思っていますが、自分が理想とするのは仕事をうまくデザインし、メンバーの力をうまく統合してゴールに到達するような進め方です。プロマネが全てのタスクに口出しをするという進め方は、好きではありません(上手なやり方だとは思いません)。

では、どのようにメンバーに仕事を担当してもらえば良いのでしょうか。それはまず仕事の全体像を上手くタスクとして分解することだと思っています。例えば夕食にカレーを食べるのであれば、ご飯を炊く、カレーを作る、サラダを作るという活動に分解できます。さらにカレーを作るのは、具材を切る、炒める、煮るというタスクに分解できます(ご飯を炊くのもサラダを作るのも、もっと細かく分解できます)。ここまですれば、それぞれのタスクをいつ行えば良いのかが分かり、その時に誰に任せることができるのかが分かります(プロマネ用語ではWBSってやつですね)。

このように仕事を分解していくことで、まとまった仕事をメンバーに責任を持って任せることができます。例えば、それぞれのタスクに対してタスクリーダーとして権限と責任を委譲出来ます。全ての指示をプロマネが出し、メンバーには単にタスクを担当してもらうだけでは、メンバーとしては主体性も持って担当することが難しいでしょう。もちろん各タスクを統合した全体の調整はプロマネの責任ですから、タスクリーダーには進捗を報告してもらうことは忘れてはいけません。各タスクに遅れが生じた場合などは、必要に応じてテコ入れが必要になったりするからです。

これまでは、人に仕事を頼むのが苦手だったり、うまく仕事を分解することができず権限移譲ができなかったりしていて、つい自分で仕事を担当してしまいがちでした。しかし、それはプロマネとしてはスキル不足です。プロマネはあくまで仕事の全体像をマネジメントする事に集中し、各タスクを自分が担当してしまわないように気をつけることが必要です。今担当しているタスクフォースでも、まずはプロマネとしての本分を果たせるよう、気をつけて活動したいと思います。


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