「何か良い意見はないですか?」の愚

自分はプロマネとして、会議のファシリテーションをすることが多いのですが、あまり意見のでない盛り上がらない会議になってしまうこともあります。司会者(ファシリテーター)としては、なんとか会議を実りあるものにしたいと思います。そこでつい次のように発言してしまいます。

『何か良い意見はないですか?』

実際に、自分がファシリテーションをする会議以外でもよく聞くファシリテーターの
呼びかけではあるのですが、実際のところこの発言は非常に良くないと思っています。それは何故でしょうか。なぜならこの呼びかけは『良い発言』を参加者に促す時点で、発言の心理的な閾値を上げていることになっているからです。『何か良い意見はないですか?』と聞かれた参加者は、当然のことながら『良い意見を出さなければならない』と身構えてしまいます。その結果として自由な発言を妨げ、ますます意見の出ない会議にしてしまうでしょう。

そもそも、良い意見や良い結論はどのように生み出されるのでしょうか。もしも会議参加者の誰かが良い意見を持っていて、その意見を引き出すだけの会議であれば、会議自体が必要はありません。事前にメールでその意見を回覧してもらって、皆で合意すれば良いだけの話で、会議は不要です。わざわざ参加者の貴重な時間を割いてもらって会議を開催するわけですから、会議を開催した方がより早く決まるであったり、より良い結論が出せる、などを当然会議には期待したいところです。

自分の考えでは、良い意見は複数の意見の組み合わせから生まれたり、さらに組み合わせから第3案として発想されるものだと思っています。組み合わせを考えていく上で大切なのは意見の数です。 インプットが多くなればなるほど、組み合わせの場合の数は多くなり、潜在的なアウトプットの多様性は広がります。つまり初めから良い意見を期待するのではなく、質はともかく多様な意見をなるべく多く出してもらうことが大切です。

ファシリテーターとしては、とにかく意見を出してもらわなければなりません。逆にファシリテーターの役割は、参加者が意見を出しやすい環境を作ることに尽きると思います。 その意味では出してもらいたいのは『良い意見』ではなく、『他の人が意見を出しやすいコメント』であったり『他の人の発想を刺激するようなアイデア』です。であるならばファシリテーターが参加者へ呼びかけるのはどのような発言でしょうか。・・・と少し長くなってしまったので、次回以降に続けます。


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