昨年度、会社の若者たちとドラッカーの『経営者の条件』の勉強会をしました。一緒に勉強したのはとても優秀で真面目なメンバーで、積極的に議論に参加いただき、勉強会も盛り上がったと思います。輪読会形式で、メンバーが事前に読んできた担当部分を発表し、その内容についてみんなで議論しました。自分は以前にドラッカーのセミナーに参加していたこと、この本を何度も読んでいたこともあったので、コメントをしたり、(正しいか間違っているか良く分からない笑)解説をしたり、とモデレーターのような形で参加し、皆さんと楽しく議論をさせてもらいました。
『経営者の条件』の原題は『The Effective Executive』であり、『成果を出せるエグゼクティブ』ですが『できる人』などと意訳してもよいのではないでしょうか(訳者の上田先生のあとがきにもあるとおりです)。『できる社会人』になりたいと頑張る若い人たちにはピッタリの本だと私は思ったのですが、参加者のみなさんにとってはどうだったのでしょうか。ひょっとしたら、現在の職責からすると、なかなか想像のしにくい内容や事例も含まれていたのかもしれません。
ドラッカーの『経営者の条件』を私が初めて読んだのは、入社して10年がすぎた頃だったと思います。ドラッカーのセミナーに通って色々と分かった気になって、この本を読んではみたものの、『良いことが書いてあるっぽいけど、正直よく分からんなー』というのが感想でしたw(恥ずかしいで汗)。しかしそれでも、難しく思えた本を最後まで読み通そう、そして少しでも理解しようとした昔の自分の頑張りは、ナイスプレーだったと評価できるのではないかと思います(笑)。
それ以来、ドラッカーの他の書籍を読むのに加えて、折に触れて『経営者の条件』を読み返していました。が、読み返すたびに、『あれ?こんな良いことかいてあったけ?』という発見がある、つまり前回までは理解出来ていなかったことやピンと来ていなかったことを次々に発見していたように思います。そしてまた次回読んだ時には、『これまでは全然理解していなかったなー』と思うことでしょう(笑)。
これは、単に昔の自分がアホだっただけ、とも考えられますが、一方で『良い本とは読者の成長に応じて違う読み方が出来る』という話を聞いたこともあります。今回一緒に勉強した入社年度の若いメンバーの方達は優秀な方たちなので既に多くのことを勉強されたと思うのですが、それでもまた時間をおいて読み返してみると、違う読み方ができるのだと思っています。
上記のとおり、私が初めて読んだときは、まともな理解も出来ずに酷いものだったのですが、『自分の知らないことや理解の及ばないことは山程あり、かつそれが成果を出す上で必須なのだ。しかし、自分は何ひとつ分かっとらんから、そりゃー成果も出ないはずだ(汗)』ということに気付かされたことだけでも、自分にとっては成果だったのかもしれません。とはいえ、それは『経営者の条件』を何度も読み直した後でも大して変わるものではなく、(この本に限ったことではなく)相変わらず不勉強ゆえに、もっと学びを広げ・深め、成果を出せるように成長したいと思っています。今回の勉強会は私自身にとって非常によい学び直しの機会、また学びへのモチベーションを高める機会になりました。忙しいとか色々と理由をつけて学びをサボりがちですが、反省してまた頑張ってきたいと思います!