ですが、その方が自分たちを呼んだ意図といえば、他部門である自分たちの企画を利用して、彼らの部署の成果に最終的には繋げたいというものだったと思います。その意図は自部門の利益とも競合するので、自部門のマネージャーとしては協力したくないような雰囲気だったので、自分たちとしても警戒しながら説明をしました。
しかし説明をしていると、彼は適切に質問をしながら興味を示している様子を見せ、相槌を打ちながら、一生懸命に話を聞いてくれていることが分かりました。またお世辞とはいえ、「よく考えられた企画だ」とか言ってくれたりします。加えて、偉い立場にも関わらず、この分野は素人だから詳しく説明して欲しいだとか、謙虚な姿勢というものが話をしていて伝わりました。
ペーペーの自分の説明に対して興味や関心を示し、面白いのでもっと教えて欲しい、とシニアマネージャーに言われたことで自分も少し得意な気持ちになったのだと思います。変に彼に協力すると自部門には不利益になってしまうにも関わらず、助けてあげたいとか自分が自部門に迷惑をかけずに彼に協力できることは無いだろうか、かという思いが自分の中に芽生えてきたことはとても意外でも有りました。
彼の態度はもちろん戦略的なもので、自分達に上記のような思いを抱かせるよう意図的にやっているのだと思います。ですが、それが分かっていながらも、初めは警戒心や敵意さえ持っていた自分たちの心を変えた彼の態度は立派だと思います。一朝一夕に身に付けられるものではないと思います。偉くなる方の人徳というか自然と周囲に人が集まる雰囲気というものを感じました。
『人を動かす』の中にも、アンドリュー・カーネギーの墓碑として、『自分より賢き者を近づける術知りたる者、ここに眠る。Here lies one who knew how to get around him men who were cleverer than himself.』という名言が紹介されていました。(決して自分達が賢いと言っているのではなくですが。。。)
ですが、自分のロールモデルたる振る舞いが出来る方に出会い(そんなことが出来る人が実在することを実感として知り)刺激を受けました、早速明日から自分も代わりたいと思います、頑張ります!