以前にある庭師さんのお話を伺った時のことです。都心によく見られる園芸の庭は一年草を多用しているとのことです。一年草とは種を植えてから一年以内に花を咲かせ、そして枯れてしまう植物のことです。つまり植えて花を咲かせて後には、来年度植え替えねばなりません。それでも何故一年草を用いるかといえば、そのほうが短期間で成果を出せるから、さらにその方法論が確定しているからです。一方で多年草とは、種を植えてから何年も花を咲かせるような植物です。しかし多年草を用いた園芸が難しいしいのは、形になるまで時間がかかりますし、失敗した際のリスクの大きいこと、などが挙げられます。
庭師さんというのは、今の庭を綺麗に見せようとするだけではなく、一年後、二年後、さらには十年後を見据えて庭を作っていくのだとのことです。つまり一年草(だけ)に頼るのではなく、植えた翌年以降も花を咲かせる多年草を使うのだということでした。まさに自分も多年草を使った庭のように、年齢を重ねても美しい、場合によっては年齢を重ねるごとに完成度が高まっていくというようになりたいと思います。
自分にとって萎えるのは、一年草のように何かを身につけて成果を出しては、また次の成果を出すために別のインプットを繰り返さねばならないということです。そうではなく、あるインプットが単一の成果だけで終わるのではなく、また次の成果に対して生きていくるような、そんな逓増するインプットを設計したいと思います。自分のパフォーマンスを考えた際の効率の観点からもそうありたいのですが、それに加えてそういう消耗型のスタイルが嫌いだというものもあります。
当たり前の事ですが、一年草スタイルか、多年草スタイルかを決めるのは、視点を長く持てるかどうかというのが決めてです。もしも多年草スタイルが取れれば良いのは皆分かっていると思うのですが、長期的な視点を持てなければ多年草で成果が出せないのが難しいところです。自分はある程度は短期的な成果を捨て、長期での視点を持ちたいと思います!(決して短期の成果を出さないことの言い訳ではなくて汗)