最近、ある抗癌薬のプロジェクトが癌領域内の優先順位の見直しのために中止されることになりました。その中止になったプロジェクトの飲み会(残念会)に参加してきました。自分はほんの少しだけ関わっただけなのですが、色々と思い出のあるプロジェクトでした。
中止の判断は会社としての戦略上の理由のため仕方がないことで、かつ製薬会社に勤務していればよくあることの一つです。ですが、関わった当人からすれば、もし薬が効かなかったのなら仕方がない、しかし戦略上の理由というのは、(仕方がないとはいえ)納得のいく理由ではありません。
その飲み会(残念会)で印象に残ったことは、プロジェクトに関わった皆が、癌という病気を直せる薬を作りたいと本気で信じ、努力していること、そして本来の薬の評価基準である「効くか・効かないか?」の判断もできないままプロジェクトが中止されてしまうことに対し、本気で悔しがっていた、という2点でした。
大人になるにつれ、本気で悔しがる機会が減っているような気がします。その理由は、人生経験を踏むにつれ、「大負け」しない方法を学んでいるからだと思います。でもそれは、裏を返すと本気で挑戦する機会を逸しているのだと思います。
もちろん社会人・会社員ですので、確実に塁に出るためのバントヒットのような仕事が求められることが多いのは事実です。しかし、いつもそのようなスタンスをとることは、仕事自体をつまらなくする一因になると思います。チャンスだと思えば、おもいっきりフルスイングで振りにいき、当たれば喜ぶ、空振りしたら本気で悔しがる、という一面があってもよい、あってしかるべきだと思っています。
本気で悔しがるプロジェクトメンバーの同僚を見て、自分ももっと積極的に仕事に関わっていきたい、と思いました。はい、明日から、再度頑張ってみたいと思います。