当然の事ながら世の中には自分より優れた方はたくさんおられ、『この人にはかなわない』と痛感させられることはたくさんあります。それでもその差を認めたくはなく、『負けたくない』と思いたいときはたまにあります。
そんな時の対応として、一般的に下記の二つを考えることが出来ると思います。まず一つ目に良くやりがちなのは、相手を批判することで自分のプライドを守ろうとすることです。『あいつら、大したことない』と言ってみたり、相手の企画の出来ていないところにあえて注目して、そこを批判するものです。
だけどそのような対応って、研究者としては少し恥ずかしい対応として捉えられてしまうかもしれません。尊敬する先輩の言葉なのですが、『研究者としてのプライドがあるなら、人のアイデアを批判する前にそれより優れた対案を出せ!』というものです。つまり絶対的に相手のアイデアを非難するのではなく、それより優れたアイデアを出すことで相対的に決着をつけろや!ということです。
そもそも自分は安全なところにいながら人のアイデアの重箱の隅を突くことは安易で卑怯なやり方と言われかねません。対案を出すということは自分に知的負荷がかかり、しかも自分も土俵に上がって戦う必要があります。ですが、プライドのある研究者であれば、後者のようにサイエンスベースで正々堂々とアイデアを戦わせた上でその是非を問うという姿勢を見せたいと思います。
上では研究者と書きましたが、知的プロフェッショナルと言われる職業に就いている人にはすべて当てはまるのだろうと思います。一般的に、批判的な意見ではなく建設的な意見を出せとはよく言われることです。
人の意見を単に批判するだけではだめ、という『べき論』のレベルではなく、対案を出せないのに批判するのは恥ずかしいことだという信念のレベルで自分に叩き込んでおきたいと思います。知的プロフェッショナルとしてのプライドにかけて、良いアイデアを捻り出したいと思います!