現象の概念的な理解のトレーニングが足りない

今日はマニアックな内容ですが、自分の備忘録のために書いておきます。今日は研究のためのシミュレーションを行っていました。そのためには、シミュレーションソフトウェアを使ったり、もしくは構築したモデルから数式を導出して使ったりします。今日扱ったのは比較的簡単なモデルであったことから数式を導出できたので、それを使ってシミュレーションを行いました。

自分が関わる研究分野で必要な能力は、(1) 数理的な理解、(2) 概念的な理解、(3) 両者を繋ぐ実際の実験への落し込み、の3つがまず挙げられると思います。そんな今日のシミュレーションを通じて思うのですが、自分は現象の数理的な解析は得意なのだけど、概念的な理解は得意ではないということです。

あるパラメータを変化させた時、数式の上ではこうなるはずだけど、その現象を概念的に理解し説明するということが苦手なのです。簡単に説明するために物理の自由落下を例とした場合、速度 v は v=g×tとして重力加速度gと時間tの掛け算で表されます。この速度vの式には質量mは入っていないので、自由落下の速度は質量によらない、ということは数式から簡単に見て取れます。

じゃあそれを概念として理解しようとすると、例えば『重さの違う軟式テニスのボールと野球の硬式ボールとを同じ高さから同時に落とすと、確かにほぼ同時に地面に落ちるなぁ。その他の物を落とす場合でも一般的に同じことは起きるなぁ』みたいな発想から現象の意味を大まかに理解が出来るはずです。この後者のような概念的な理解を実際の創薬の現場に持ち込むのが非常に苦手です。つまり分析的・解析的なところには強みはあるのですが、直感的な理解が弱いというか、創造的なところが弱いと思っています。

そのため、自分としては構築したモデルが生命現象を正しく説明できている場合、未来の現象を定量的に予測できるという強みを持っています。一方で、実際の生命現象はそれほどシンプルはなく、自分たちの知らない要素は山ほどあるため、構築したモデル通りに挙動しないという面があります。そのような場合、モデルを修正していく必要がありますが、その時に必要なのが概念的な理解だと思っています。

数理的な理解と概念的な理解は表裏一体で相補的な関係にあり、どちらも大切です。自分は数理的なところが得意なので、そこから入りがちだけど(それ自体が駄目なのではなく)、その後に概念的な理解との対応付けをしていないところが問題なのだと思います。これも勉強やトレーニングで、そこそこまでは出来るようになるのだと思います。苦手だからと逃げることなく、強みを補う相補的な分野を伸ばす意味で、今後頑張っていきたいと思います!


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です