緊張は心と体の自然な防御反応である(1)

先日、会社の会議で200人以上に向けて、話をする機会がありました。といっても、このご時世ですから、ウェブ会議での発言です。200人の顔を見ながら話したのではありません。とはいえ、こんなに大人数の前で発言するのは久しぶりだったので、さすがに緊張しました。

そもそも自分は、緊張しがちであることがわかっています。そこで、事前に話すべきことを準備して、さらに何度か実際に話す練習をして会議に臨みはしました。しかしながら会議での自分の発言の順番が近づくにつれ、喉が渇き始め、心臓がバクバクと拍動し始め、自分が緊張している様子が明らかに分りました。

以前の自分であれば、こんな自分の状態に対して、焦り、パニックになっていたかもしれません。しかし、今回は緊張している自分をそのまま受け入れてあげようとする事で、冷静さを保つことができました。というのは、緊張している自分を否定したり、緊張しないようにしても、正直なところ緊張を打ち消すことができません。

そんなことをすれば、緊張をしたくない自分の理性と、緊張してしまっている自分の心(感情)と体との間のギャップが生じます。緊張している自分に、『落ち着け』と言い聞かせたところで、そう簡単に緊張がとけるわけはありません。自分の思い通り動かない体に対し、このままではいけないという焦りを感じ始めます。最終的にこれが、パニックの原因になっているのだということに気がつきました。

一方で、緊張とは体の自然な反応だと考え、緊張している自分を肯定することができるとどうでしょう。 緊張はしていても(脈拍は上がり、汗をかき、顔の表情筋は引きつっていても笑)、本来はそれが直接的にパニックの原因にはなりません。というのは、これらの緊張により生じる反応は本来のパフォーマンスとは直接関係するものではないからです。脈拍が上がるとうまく喋れないか、汗をかいてしまうと上手く喋れないか、そんなことはありません。 緊張している状態をネガティブな状態だと捉えるからこそ、パフォーマンスの低下の原因になるわけです。であるならば、緊張している状態を肯定すること(否定しないこと)で、理性と感情と体の反応とに乖離がないように考えてあげれば良いだけです。長くなったので明日に続けます。


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