迷ったら困難な選択肢を選べるか?

先日、ある会社のエグゼクティブがキャリアガイダンスの講演の中で『迷ったら困難な選択肢を選ぶ』という教えを守ってきた、と紹介をされていました。いい教訓だと思いましたし、自分も振り返ってみれば、キャリアに限らずに困難な選択肢をを選ぶことで成長が出来たのだと思っています。

そもそも何故困難な方を選ぶと成長につながるのか。分かりやすい(?)例としては、『筋肉トレーニングの超回復』でしょうか(笑)。筋トレとはトレーニングより筋肉に負荷をかけ、筋繊維を損傷させるわけですが、その後に適切な休息をとることで筋肉が元の状態よりも強い筋肉が出来るわけです。あえて筋繊維を損傷させるところまでトレーニングで追い込まなければ、超回復には繋がりません。キャリア形成でもなんでも同じように(?笑)、ストレスをかけることで自分を追い込むことで、その過程で自身の再構築と成長に繋がるのではないかと思っています。困難な選択肢を選ぶことで、自分を今いる Confortable zone (居心地の良い状態)から敢えて抜け出し、unconfortable な(居心地の悪い)場所に敢えて自分を置くことで、自分の成長に繋がるストレスをかけるのだと思います。

冒頭の講演を『なるほどー』と思って聞いてはいたものの、よくよく考えてみると、四六時中いつも困難な選択肢の方を選んでいるかと、必ずしもそうではありません。極端な例ですが、ある目的地に移動する場合に、(1) タクシーで行くか、(2) 電車で行くか、(3) 走っていくか、ということであれば、よほどのことが無い限り、最も困難な (3) 走っていく、は選びません(笑)。つまり単に『迷ったら困難な選択肢を選ぶ』という意思決定基準だけでは不十分であることを意味します。この意志決定が成立する前提を考えて見る必要がありそうです。

改めて考えてみると、以下の3つの条件、(1) 自分が決意をもって取り組むと決めた分野において、(2) 高いリターンが期待でき、(3)一発アウトのリスクを追う必要がない、という条件を満たす場合には、困難な方の選択肢を喜んで選択しているように思います。敢えて説明する必要はないのかもしれませんが、(1) 自分にとって大事な分野じゃないと困難を選ぶ意味がありません。上記の移動の例でいれば、(マラソンの練習でもないかぎり)単に移動するだけではれば、普通は電車にのりますよね(笑)。(2) リターンの期待も当たり前の話ですが、困難な方を選んだのに成長がほぼ期待出来ないことが明らかなのであれば、そもそも困難な道を選ぶ意味はありません。(3) も文字通り、困難な方を選んだがゆえに(極端な例ですが)生命を危機に晒すようなギャンブルをする必要は全くありません。

と、ゴチャゴチャ書きましたが、要は『自分にとって大事な分野で、成長できそうな予感を感じ、また一発アウトのリスクさえなければ』、どんどん困難な方の選択肢に挑戦しよう、ということです。『迷ったら困難な方の選択肢を選ぶ』というのは分かった気でいたのですが、いつ困難な方を選ぶべきか、またいつ選ばないべきか、が明確になっていなかったことで、意思決定基準としては使える状態に無かったことが分かります。これでは、単に良い意図に過ぎず、実践的に使えないですね。良質な意思決定基準を持つことは、明らかに自分の人生を好転させることに繋がると思います。分かったつもりにならず、自分の意思決定基準を常に見直し、良い意思決定に繋げていきたいと思います!


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