帰国まであと 74 日!
(1)論文、
活動、書き直し
時間、>5h
(2)英語発声練習、
OK
(3)その他活動サマリー、
疲れて早く帰ってくる
(4)陸トレ、
OK、65.7 kg、
(5)感謝、
論文を構成してくれる同僚
(6)新しい挑戦・昨日からの進化、
投稿準備が出来つつある。
(7)ブログ、
今日も終日仕事と論文でした。昨日寝るのが遅かったので、いまいち冴えない日でした。今日は早く寝て明日は元気に活動できるように頑張りたいと思います。
さて、本題です。アメリカに来て思うことの一つに、アメリカの研究者と日本の研究者とはどこが違うのか、彼らより何が優れ、何が負けているのか、ということをハッキリと理解したいということです。もちろんステレオタイプなアメリカ人と日本人という意味での比較ではなく、アメリカの上司と自分(達)の比較です。彼らは敵ではなく同僚なのですが、限られた研究費を取り合うライバルでもあります。健全な意味で切磋琢磨して、お互いの強みを生かしていく事のためにはこのように考えてみることが必要なのだと思います。
そのように考えると、やはり専門性で負けていると思います(今は)。彼らはその道のプロでありこればっかりをほぼ20年くらい続けてきています。それを数年間かじっただけの自分が敵うはずがありません。仕事に携わった年月以外に専門性の違いに影響を与えていると思うことは、情報収集力だと思います。ライフサイエンスの最先端はアメリカだと思いますし、全世界で情報は英語でやりとりされます。この英語で情報を手に入れるスピードがまだ圧倒的に負けていると思っています。ただ自分の論文を読むスピードも最近はだいぶ早くなっていると実感しているので、もう少し頑張りたいと思います。
そして彼らのエリート教育というかリーダーシップでも負けていると思います。こちらのスタイルは出来る人間にドンドン投資をして育てていき、そしてそこから生まれてくるリーダーにドンドンと仕事を集め経験させていく、またそのような経験をした人を外から引き抜いてくるというやり方です。そんな彼のやり方と、結果平等主義・年功序列の日本のやり方では、リーダーの質では決して勝てないと思います。下っ端の自分たちがどんなに一生懸命に働いても、リーダーが指し示す方向性が間違っていたら、それこそ間違った方向にドンドン進んでいってしまいます。先日から書いている通りもちろん自分の組織から良いリーダーを出せればいいのですが、それが出来なくても海外の新しいリーダーとコミュニケーションが取れるようにだけは最低限しておく必要があるのでしょうね。
一方で日本の研究者は平均的にみんな仕事は出来るのだけど、ドングリの背比べで、突出して優れたヒトはそうはいないように思います。まあ出来る人も年功序列で順番を待っているのでなかなかチャンスも無いのでしょうね。
反対に彼らに勝っているのはないかと感じることは、勤務時間の長さに加え(笑)、月並みなのですがチームワークだと思います。アメリカでは雇用が保証されているわけではないので、彼らはまずは自分の事を第一に考えます。時に「自分さえ良ければいい」(とまでは言いませんが、それに近い)発想になっていることも感じます。やはり長くても2年位で結果を出さなければならないとなると、長期的視点にたって『会社のため』だとか『後進のために』だとか、そういう発想が非常に薄いと思います。明日が保証されていないアメリカの同僚に「組織のために働け」というのは酷だと思います。
一方で自分たちは、「上司のために」とか「組織のために」とかそういう思いで働くことが出来ると思っています。もちろん名目上だけとはいえ終身雇用という枠組の中で働いているので、長期的な視点で仕事が出来たり人を育てたりする文化があるのではないでしょうか。もちろんそこには信頼関係が必要でそれがなければ、それさえも成立しないのでしょうが。
以上をまとめてみると、アメリカの同僚達に勝つためには、自分たちは「自ら考え組織のために働くことが出来る」と性善説に立った仮定をした上で、彼らよりも長時間働く中で自分への投資も欠かさずに専門性を伸ばしていく、その中で次の次のリーダーになる人間(は他の組織には移らないだろうとこれまた性善説に立って)に投資をし、健全に競争させていく。候補者は金銭的なインセンティブなどは得られないけれども、若くして経験という貴重なものを手に入れることが出来るため『ノブレス・オブリージュ』の精神で頑張る。自分たちには一応名目上終身雇用なので、時間を味方につけ計画的に自分たちを伸ばしていく、ということになるのでしょうか。
マネジメントがどのように考えているか、また今度聞いてみたいと思います。