イノベーションとは変革・刷新 (innovate) により新しい価値を創造することと定義付けられますが、その多くは新しい組み合わせにより価値が生み出されているそうです。もしもその組み合わせが誰もが容易に思いつくものであれば、既に他の誰かによって価値として生み出されていることでしょう。ですので現実的には、一見関連しないようなものを組み合わせて新しい価値を生み出すことが必要だと思われます。
そのような組み合わせはどのように見つかるかというと、意図してはなかなか見つかりません。意図した組み合わせであれば、他の人も容易に思いつくから既に公知になっていることが殆どです。
ですのでサイエンスにおいても予想外の組み合わせを偶然見つけていかないといけないのですが、その偶然を如何に系統的に見つけることが出来るかがイノベーションの鍵だと思います。
と教科書的な話をつらつらと書いたのですが、自分のような凡人が系統的にイノベーションを起こしに行くためには、「プラスαの労力を惜しまない」ことが必要なのだと思います。組み合わせにより予期せぬ成功を手にするには、予期せぬ組み合わせを試さなければいけませんが、全く脈略もなく組み合わせを試していればどれだけリソースがあっても追いつきません。
そこで予想する組み合わせのための仕事を確実に進める一方で、その横で予期せぬ組み合わせ並べておいてついでに試してみるのであれば、一から組み合わせを試すほどのリソースはかかりません。例えばですが、評価化合物 A を評価系 a で、評価化合物 B を評価系 b での評価を依頼された際に、「A と a、B と b」の本来の組み合わせのついでに「A と b と B と a」 も試すのには大した労力はかかりません。
このプラス α の仕事を継続的に行っていくことで、予期せぬ組み合わせに出会うことが出来るのだと思います。このような仕事の仕方は一見すると合理性が低いため多くの人は取り組みたがりません。だからチャンスが残っているのだと思います。
このような予期せぬ組み合わせからの成果は非常に大きいのが殆どであるため、プラスαの労力はすぐに取り戻せるでしょう。大きな成果のための投資だと思って、プラス α を習慣化するくらいの勢いで、継続的に取り組んでいきたいと思います。