挑戦と失敗のためのリソースを天引きする #1201

鮒谷周史さんのビジネスセミナーの後、セミナーでご一緒させて頂いている M さんとのイノベーションに関するが盛り上がりました。今日もその議論を続きを書いておきたいと思います。M さんと、イノベーションを起こすためには失敗を恐れずに挑戦をすることが重要だという話をしていたのですが、中でも印象的だったのが『失敗のためのリソースの上限を設定する』というお考えです。

通常は失敗に対する恐れから、大胆に挑戦をすることはあまり出来ません。反対に失敗をしても良い状況を作り出せることが出来れば、自信を持って大胆に挑戦することが可能になります。失敗の質にもよりますがリカバリー可能な失敗であれば、少々の失敗であれば問題にはなりません。しかしここで悩ましいのが、じゃあどれだけ失敗をしても良いか、ということだと思います。

失敗をしすぎてしまうと、出すべき成果が出せなくなることから、食っていけなくなるでしょう。しかしだからといって失敗を恐れると挑戦自体を避ける事になります。このさじ加減は難しいのですが、予めその失敗のために使えるリソースの上限を決めておき、『そこまでは安心して挑戦しよう(そして失敗しよう!)』と決めてしまうことは非常に良いアイデアです。例えるなら、10万円を持って競馬に行き、使いきってしまうまではかけ続けて良いけど、全部スってしまったらそれで絶対にやめる、反対に10万円を使いきるまでは帰らない、みたいなイメージになるのでしょうか。

自分の場合は小心者のため、挑戦できるリソースがあっても、不安からついつい途中でブレーキを踏んでしまいがちです。その不安は失敗しても大丈夫だという安心感を持つことが出来ていないのだと思うのですが、上記のように撤退ラインを合理的に決めることが出来れば、そこまでは迷いを無くし安心して挑戦を継続することが出来るのだと思います。この安心が挑戦を促し、結果としてたくさん失敗でき、その中でごく稀にイノベーションが生まれてきて、そこからまた挑戦に入れる、という好循環に入っていければと思います。

この撤退ラインを合理的に(とうよりむしろ自分の中で納得性をもって)決めることはなかなか難しいですね。浅い所に引くのは簡単で安心は生まれますが、挑戦のための十分なリソースは確保出来ません。反対に深い所に引くと挑戦のリソースは十分に確保出来る分、自分が致命傷を負いかねない不安と常に隣り合わせになり、勇気がいります。そのギリギリのせめぎあいの中で自分が安心できる線引きを出来るように、試行錯誤していくのがいいのでしょうね。M さん、色々とためになるお話を聞かせていただき、ありがとうございました!


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