ド素人に専門分野を伝えることの難しさ #1331

先日、突然、違う部署の課長に『話があるから』と呼び止められました。仕事上はあまり付き合いのない部署の課長だったので何だろう?と訝しがっていたのですが、話を聞いてみるとその部署の新人や若手を中心とした勉強会で自分の専門分野についての講義をして欲しいとのことでした。自分としては忙しいので乗り気もしない面もあったのはあったのですが、『頼まれごとは試されごと』だと思い直し、せっかく声をかけてくれた課長の期待に応えるためにも引き受けることにしました。加えて、新人相手の講義であれば基本を話せばいいので、それほど準備はいらないだろうと思っていたところもありました。

今日はその準備をしていたのですが、思いのほか自分にとっての学びが多かったので、重要な点を書いておきます。まず基本の基本を伝えるということの難しさです。講義では自分の専門分野を説明するので、当然ながら内容は複雑なものになります。しかし聞き手は新人が殆どで、その分野に対する予備知識もほぼゼロです。このギャップを埋めるには、基本の基本に立ち返って説明せねばなりません。しかもその過程では、素朴な何故に応える必要があります。

自分の専門分野と言われるところでも、原理原則に近いところで何故を問われると説明出来ないこともあります。特に自分としては当たり前の前提として考えていたことに対しても『何故』と問うてみると、今更ながら多くの発見があることに気付きます。単にこれまで勉強不足だったと言ってしまえばそこまでかも知れませんが、こういう機会がなければ改めて考えることもなかったでしょう。

加えて、共通言語のない新人に説明するということは大きな難しさを伴います。自分と同じような背景や経験があれば、『◯◯みたいな感じ』と誤魔化すこともできるかもしれないですが、今回はそうはいきません。彼らにも分かるように、平易な言葉や数式で説明するとなると、非常に骨が折れる一方で、自分が誤魔化していた点が明らかになります。それは自分の理解が浅い点でもあり、どこを強化しなければならないかが理解できます。

さらに、全部を説明しだすと全10回のコースになってしまうため、どこを省くのかの判断が大切です。短い時間での講義のため全部を詳細には説明できないし、あまり本筋と関連しないことは『そういうものだ』という前提として受け入れて貰う必要があります。その上でも、一定の興味を引く話にまとめなければ、そもそも受け手に何も残らないでしょうし、それでは講義をする意味がありません。以上のとおり、今回の講義は専門分野が近い専門家に話すための準備とは異なる難しさがあました。大変だったのですが、その分だけ学びを多く自分のためになりました。引き受けて良かったです。新人の皆さんのお役に立てるよう、講義も頑張りたいと思います!


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