先日、自分が関わるワーキンググループが会社のシニアリーダーに向けてプレゼンテーションする機会がありました。自分たちのチームは、非常に有用な技術の開発に成功しました。そこで、その技術を更に応用して適応範囲を広げ、創薬研究に役立てたい、と言うプレゼンでした。
そのプレゼンテーションに対し、あるシニアリーダーから、「コンセプトは agree をもらえると思いますが、つっこみどころが満載です。」 という有難い(手痛い)フィードバックを頂きました。指摘事項はどれも非常に重要なことだと思うので、今後のために忘れないように書いておきたいと思います。
「プレゼンによると総額 X000万円の投資が必要かと思いますが、投資判断できるようポイントをクリアにしてもらえませんか?」
シニアからのフィードバックの通り、このプレゼンの目的は、自分たちに投資価値がある事を理解していただき、実際にいくら金額を投資するべきかを判断していただくことだったと思います。 自分たちのプレゼンは素晴らしい技術がある → 貢献できる → お金をください、という構成になっていました。もう少し、投資の費用対効果と企画の成功確率を分かりやすい形で提示すれば、シニアはより判断しやすかったと思います。
「費用対効果としてどこまでやる意味がどれくらいあるのか?」 「概算で、いつまでにどのくらいの投資が必要なのか?」
振り返ってみれば、要求額がでかすぎだと思います(笑)。そのため、まず企画のコンセプト検証として必要な金額を提示し、成功すれば段階的にお金がもらえるような形にしておけば、シニアとしてもお金を出しやすかったと思います。その際には、段階的にする分だけ、 一括してお金をもらうよりも、プロジェクト完了までの期間が間延びすることになります。そのリスクも合わせて提示すれば、納得した投資判断につながるでしょう。
「外注のリソースで、すべて行うことが最適なのかどうか?インハウスのリソースは、どうのくらい必要なのか?」「他部門からの人のアサインが必要なのか?」
自分たちの関心事は「すばらしい技術を開発しました!(褒めてください!)」ですが、シニアの関心事は「お金と人がどれだけ要るか、その投資に見合うか」に尽きると思います。ここの点の説明が不十分でした。自分の悪い癖として、ついつい自分の言いたいことを話がちですが、良いプレゼントは目的を達成するプレゼンです。そのためには自分の言いたいことではなく、相手の聞きたいことを過不足なく伝えることが大切なのでしょう。これはプレゼンテーションに限らず、コミニケーション全般に当てはまることですよね。まだまだ修行が必要です。がんばります!!!
(このシニアリーダーのありがたいフィードバックのお陰もあり、無事に投資を勝ち得ることができました。的確かつ温かいアドバイスに心から感謝いたします。いつもありがとうございます!)