会社の組織改編の方針が噂されて以来、現場レベルでも色々な憶測が飛び交い、非常に混沌としています。そうなると、従業員は「いかに食っていくか」とか「どっちのキャリアが損か得か」みたいな話があちこちでされています。もちろん、これらは大切なことで自分も気になることではあるのですが、あまりに現場でそういう「セコい」ことばかりを話す人がいるので、少し嫌になっています。
しかし、ふと自分のことを振り返ってみると、自分も同じかもしれないと感じました。このブログにも何度も書いてる通り、自分は学位(博士号)を取るために多くの時間を使いました。見方によっては、本来は新薬の創出を通じて患者さんに貢献するために必要な時間を、自分のキャリアのためにだけ使っている、という見方もできるかもしれません。
いやいや、「それは違うんです!」ってことを(言い訳がましく?)書いてみたいと思います。 これからの研究開発のリーダーは、高い専門性やリーダーシップはもちろんのこと、国内だけではなくグローバルに、組織の枠を超えて、クロスファンクショナルに活躍していくことが求められるのだと思います。そうなると、国籍、専門性、経歴・キャリア、価値感などが異なることを前提としたチームで仕事をしていくことが必要になります。
このような多様性に富む場において、学位はその場での活躍する資格を証明する運転免許証のようなものなのだ、と海外の同僚からはよく言われます。つまり、持ってて当たり前で無いと運転できない、つまり学位がないとこのようなグローバルの研究開発の場への参加資格さえないわけです。海外の同僚からは、チャンスがあるならば絶対に取れ!と強く勧められました。
求められているかどうかは別として (笑) 自分としては、いつかは日本の研究開発のリーダー(ヘッドという意味ではない)として、日本からグローバルの研究開発部門に貢献したいと思っています。その意味では、当然のことながら学位は必要なのです。学位取得は個人のキャリア形成ではなく、会社にとって必要な先行投資をしてもらっていると受け取る必要がありますね。
つまり自分の学位取得は、個人のキャリア追求の為だけでは無く、組織を通じ会社そして社会への貢献へと繋がっているのだ、ということを意識していたいと思っています。最初に述べたとおり、もちろん「食っていくのは大切」です。なんですが、やっぱりその先に、食える → 価値のある仕事をしている → 会社に貢献できている → ビジネスを通じて社会を良くしている、という一貫性は感じていたいと思います。と、考えると、少し背筋が伸びます。もっと頑張らないといけないですね!!! (汗)