頂点を極めるためには何が必要か、という問いに対しての田中角栄元首相の答えは、『敵を減らすこと』だと答え、そして次のように続けたということです(早坂茂三著『宰相の器』より)。
人の好き嫌いはするな。誰に対しても一視同仁。いつでも平らに接しろ。来る者は拒まず、去る者は追わず。他人のために汗を流せ。出来るだけ面倒を見ることだ。手柄ば先輩や仲間に譲れ。損して得を取れ。進んで泥をかぶれ。約束事は実行せよ。やれそうもないことは引き受けるな。
これを長い間、続けていれば敵が減る。多少とも好意を寄せてくれる広大な中間地帯ができる。大将になるための道が開かれていく。頂点を極めるには、これしかない。
人の上に立つ人というのは、実力があり優秀であることはもちろん必要です。しかしそれだけで十分かといえば、そんなことはありません。人間として好意を持てる(少なくとも嫌いではない)人でなければ自分ならついていきたいとは思いません。仕事ができる嫌な奴と仕事はイマイチだけどいい奴であれば、もしかしたら自分は後者についていくかもしれません。さらに相手が好きか嫌いかを超えて敵になってしまうと、協力されないばかりか足を引っ張られるということになりかねません。だから敵を極力少なくしておくというのは理にかなっていると思います。
(決して自分はデキる人間ではありませんが汗)立場上、人の上に立たなければならない時、自分は得意気になってしまいがちです。冷静に考えれば、人の上に立っているのは「役割として」であって自分の実力からではありません。しかし頭ではそれを分かってはいるものの、上に立つとややもすれば傲慢な気持ちが生まれてしまいます。そうなってしまうと偉そうに振舞い、地道で地味な作業を避けてしまいがちです。
これは田中角栄元首相の言葉とは全く反対の行動ですね、ヤバい(汗)。周りの人は、上に立っているのは立場上なだけで実力からではないことは分かっているので、彼らから見ればそのような自分の態度は「勘違い男」として映るでしょう。そんな人に誰もついて行きたいとは思わないでしょうね。益々、逆効果です。反対に考えるならば、上に立った時に傲慢に振舞う人が(おそらく)たくさん居る中で、「謙虚で地道で他人のために尽くせる人」が上に立った時には、多くの人がその違いにすぐに気付くでしょう。
上に書いた田中元首相の言葉は、当たり前のことのようで実際に実行するのはとても難しい事です。とは言え、一つ一つの事は実行出来ないほどの難しさではありません。まずは一つずつ仕事の中・生活の中で取り組んでいきたいと思います。頑張ります!!!