外に出て新しい刺激を受ける

自分がまだ社会人経験が浅い時に頂いたアドバイスで、今となって非常に役に立っていると思うものの一つに、『外に出て、新しい刺激を受けろ』というものです。大学院を卒業後、入社し組織に配属され、その組織でのキャリアが始まりましたが、それ以来自分のキャリアの目標はその組織においてどのようにキャリアを伸ばしていくか、ということを自然と強く意識するようになりました。その組織だけの出世を目指していたわけではありませんが、それでもどこかでその組織の延長線上でのキャリアを自然と描くことになっていました。

しかし振り返ってみると、今は自分が入社した当時の組織はもはやありませんし、今の仕事は入社当時の仕事とは全く異なるものです。つまり入社当時の組織で描いたキャリア目標は今では全く当てはまらないものになっています。これは私だけではなく、多くの新入社員の皆さんにも(多かれ少なかれ)当てはまることでしょう。そのような状況だからこそ冒頭に挙げた『外に出て、新しい刺激を受ける』ことで、自分のキャリアを相対的に考えることができるようになるのだと思います。

というのは、意識しないうちに自分が属する組織の考えに自然と染まってしまうからです。また、そもそもの前提として、『組織の一員として』とか『会社員として』とか『製薬業界における』とか『研究者として』のキャリアを考えることに縛られてしまうからです。これらの前提は社会人のキャリアの浅い内には妥当な前提に思えますが、5年10年さらにそれ以上のスパンでキャリアを考えた時には意外と当たり前でも無いことに気付きます。というのは以前と異なり、組織や会社の寿命自体がどんどんと短くなっている状況で、(会社そのものを含めて)組織が変わる・消えるのはあっという間です。だからこそ、外に出て、今何が起こっているかを知り、変化の予兆を掴もうとすることも必要になってくるのではないかと思います。

幸いなことに、自分はキャリアの早い段階でアメリカに行き、世界の一流の研究者が何を考えているかを知ることが出来ました。また色々なセミナーや勉強会で製薬業界以外の方達との交流を持たせていただくことができました。それにより、自分のキャリアが如何に特殊で脆弱で壊れやすい(fragile)なものであるかを意識することが出来ました。それにより世界の見方が変わり、目標が変わり、日々の行動が変わり、その結果として、自分のキャリアを自分が望む方向へと変えることが出来たのだと思っています。

最近、キャリアの浅い元気な方達とお話しする機会があったのですが、その際に多くの方が昔の自分のように現状の組織を起点にキャリア形成を考えがちであることに気が付きました。今と昔とでは変化のスピードが全く異なるので、今の若い人たちは、私の時代よりももっと『外に出て新しい刺激を受けること』を意識してほしいと思います。同時にこれは新入社員さんだけではなく、今の自分にもに当てはまることだろうと思いますので、自分も若い人に負けないように『外に出る』ことを意識したいと思います。


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